平成21年(2009)度の重点テーマ「サービス産業従事者の個人曝露(PM2.5による検討)    

店内の状況:喫煙席は部屋として分離はされているが出入口にドアはなく開放されていた。

所見:
1)環境評価:喫煙が行われ始めた16時15分過ぎから、徐々に禁煙席の粉じん濃度が上昇しており、開放された出入口から禁煙席にタバコ煙が拡散していたことが認められた。

2)個人曝露評価:
16時30分に喫煙中の客に接客し、その際に非常に高い個人曝露が認められる。
16時38分〜43分は喫煙席で喫煙していないテーブルで作業が行われており、喫煙席全体を汚染するタバコ煙に曝露された。
15時58分、16時10分、20分に観られる低いピークは、禁煙席での作業による一般粉じんと湯気の曝露であった。

 

3)測定対象粒子(PM2.5とRSP: Respirable Suspended Particulate matter)について
AM-510で測定されるPM2.5は50%カット径2.5μm以下の粒子、柴田科学の機器で測定されるRSPは直径10μm以下の粒子をである。
大きなサイズの粒子まで測定するRSPの方がPM2.5の測定値よりも大きくなるはずであるが、両者にはほとんど差がない。このような調査の場合、喫煙により発生する粒子は0.1〜0.2μmであるため、2.5μm以上で10μm未満のサイズの粒子はほとんど存在しないものと思われた。